2010年07月31日

『クレーヴの奥方 他二篇』感想

社会復帰して、最初の週が無事終わりました。
毎日、既存システムの把握と平行して機能追加やバグ取りに忙殺されていますが、楽しくやっております。
ちょっと職場が遠いのが難ですが、その分、行き帰りに本が読めます。

ということで、ラファイエット夫人作、生島遼一訳『クレーヴの奥方 他二篇』(岩波文庫,ISBN:4-00-325151-2)を読み終えました。
他二篇というからには、豪華三本立てです。

以下、ネタバレ注意!

割りと面白かったと思います。
内容は、政治的な理由で特に望んだわけでもない相手に嫁いだ娘が、その後、理想の相手と巡り会い、思い悩むお話です。
まァ、ありがちといえば、そうですが、その胸中を夫に打ち明けるという点が、ちょっと変わっているかもしれません。
胸中告白と心理描写がやたら多くて、地の文が会話だったりする節もあります。
“公は隠れていた家のうしろへ出て、そこを流れている小川のふちの柳の下を歩いていった。”という、一見したところ普通の文に注釈があって、何かと思って巻末を見ると、“この一説はこの小説中、自然描写のある唯一の箇所として知られている。”なんて書いてあるくらいです。
まァ、森とかは出てきたので、柳という固有名詞が出てきていることを指しているのでしょうね。

でも、読みづらいのが残念。
改行がほとんどなくて、びっしりと詰まった活字にゲシュタルト崩壊を起こしそうになります。
それと、登場人物が初っ端からずらずらと出てきて、覚えるのが大変でした。
まァ、主要人物である奥方、クレーヴ殿、ヌムール公。それと、奥方が宮仕えする皇太子妃を押さえておけば大丈夫なんですけどね。

ちなみに、残り二本「モンパシエ公爵夫人」「タンド伯爵夫人」につていは、「クレーヴの奥方」とほぼ同じ内容です。
こちらは夫に打ち明けたりしませんが、不倫に思い悩む点は一緒です。
結末が違って、「クレーヴの奥方」がハッピーエンド、「モンパシエ公爵夫人」がノーマルエンド、「タンド伯爵夫人」がバッドエンドという感じでしょうかね。


posted by ちんぺい at 19:08 | Comment(0) | 読書感想文
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