2012年09月03日

『死刑囚最後の日』感想

ユーゴー作、豊島与志雄訳『死刑囚最後の日』(岩波文庫,ISBN:4-00-325318-3)を読みました。

『レ・ミゼラブル』を書いた人の作品で、死刑制度に一石を投じた作品のようです。
そういえば、大学の頃に左翼思想に染まった教授が薦めていた記憶があります。
もっとも、私の場合、そうした左翼思想から手に取ったたわけではないのであって、本が薄いので電車の行き帰りに読みやすかったのと、裁判や刑罰の描写に興味があったからです。

むしろ、私は死刑制度には賛成だったりして。

以下、ネタバレ注意!

死刑囚である「私」の、死刑の瞬間までの苦悩を描いた作品です。
一人称になっているのは、読者に自分の問題として置き換えて考えさせたいと思ったのでしょうか。

ですが、悲しいかな「私」にまるで共感できません。
この「私」は、自分の罪について告白も懺悔もしないのです。ちなみに、冤罪ではありません。「本当の罪悪を犯し血を流した」などの述懐、そして、厳罰に処せられているという事実からすると、おそらくは殺人犯でしょう。
しかし、「私」がすることといえば、ただ、近く訪れる自らの処刑の日に畏れおののき、言葉を変えては読者に同情を誘おうとし、特赦のおりるのを最後まで願っているだけです。

うん、死刑で。

結末も予想通りといった感じで、読み終えても何の感慨もありませんでした。
もっとも、この作品が書かれた時代には新しかったのかもしれませんけどね。
個人的にはフォーククルセダーズが歌ってた「もう25分で」の方が遥かに衝撃的だったな。


posted by ちんぺい at 22:54 | Comment(0) | 読書感想文
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