2012年09月09日

『カルメン』感想

メリメ作、杉捷夫訳『カルメン』(岩波文庫,ISBN:4-00-325343-4)を読みました。

ビゼー作曲の同名のオペラの原作にあたる作品ですね。
オペラの『カルメン』には前奏曲をはじめ、「闘牛士の歌」「ハバネラ」など、誰でも聞いたことのある有名な曲がいくつも含まれています。
私はブラウザこそ Opera を使っているものの、実際にオペラを鑑賞したことはありません。いつか鑑賞してみたいものですね。

以下、ネタバレ注意!

貴族の若者で軍人のドン・ホセが、情熱的なジプシーの悪女カルメンに出会い、恋に落ち、はては人生を狂わせてしまうお話です。

まず、何より文章が読みやすい!
メリメの文章がいいのか、それとも訳が上手なのでしょうかね。
話も短く簡潔にまとまっていて、ジュール・ヴェルヌの作品とは大違…(以下、自主規制)

個人的にいちばんよかったのは、カルメンに振り回されて盗賊となり、人まで殺めたドン・ホセが、闘牛士ルーカスに心変わりしたカルメンに嫉妬し、彼女を刺し殺そうとする場面です。

「おれの一生を台なしにしたのはお前だぞ。おれが泥棒になったり、人殺しになったりしたのは、お前のためだぞ。カルメン! おれのカルメン! おれにお前を救わせてくれ、お前と一緒におれを救わせてくれ」

ホセが何とも恰好悪くていいですね。
カルメンを思い通りにできなくて嫉妬しているだけなのに、カルメンを救うためという立派そうな理由にすりかえています。
でも、こういうすりかえって、日常生活でもやっていそうですよね。

「ホセ、お前さんはできない相談を持ちかけているよ。私はもうお前さんにほれてはいないのだよ。お前さんはまだ私にほれているのにさ。お前さんが私を殺そうというのは、そのためだ」

最後は、カルメンにあげた指輪を目の前で捨てられたことで、ホセは激情にかられ、彼女を刺し殺してしまいます。そして、屯所に自首したホセもまた絞首刑になるのでした。
カルメンとホセ。二人は幸せだったのでしょうか――。

それにしても、相手を刺し殺したくなるほど好きになる/させるって、すごいことだなァと思いました。
三銃士に出てきたミレディもそんな感じでしたね。


posted by ちんぺい at 18:18 | Comment(0) | 読書感想文
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