2012年09月16日

『オレンジ色のステッキ(杉原爽香、三十九歳の秋)』感想

赤川次郎『オレンジ色のステッキ(杉原爽香、三十九歳の秋)』(光文社文庫,ISBN:978-4-334-76458-6)を読みました。
推理小説続きですが、まったくの偶然で、母親が買ってきたので読みました。
敬老の日ということもあって、今、実家に帰っております。

本作は「爽香シリーズ」の一つなのですが、この「爽香シリーズ」、赤川次郎による少し変わった試みがなされています。
一年に一度、シリーズの作品が刊行されるのですが、その際、現実の時の流れにあわせて、登場人物が一個年を取っているのです。

したがって、爽香も初出の『若草色のポシェット』では十五歳のロリっ子だったのですが、今ではすっかりアラフォーですね。

私がこのシリーズをはじめて読んだのは十五年ほど前で、それから、毎年何となく読んでしまっています。

さて、今回の『オレンジ色のステッキ』ですが、それなりに面白かったです。

もっとも、私が毎年読んでいるからそう思うだけかもしれません。
実際、物語としては全然まとまっていません。

今回の登場人物は主に二つに大別できます。
一つは爽香の裸婦画を描いた画家であるリン・山崎に関連する人物。
もう一つは、明男(爽香の夫)の車の前に飛び出して、自殺未遂を起した中河原由加に関連する人物。

ですが、この二つの人物群がまるでといっていいほど関わりあいません。
正直、中河原由加の方は出てくる必要なかったんじゃないかとさえ思います。

ミステリらしい事件としては、爽香の勤務先〈S文化マスタークラス〉が何者かに侵入されるという事件が起きます。
侵入されただけで、荒らされた形跡はなく、物取りの犯行ではなさそうです。
二度目の侵入で、爽香の部下である久保坂あやめが犯人に後ろから突き飛ばされ怪我をします。
あやめは、犯人の顔は見ていないものの、犯人がついていたらしいステッキの音を聞きます。
タイトルにもあるステッキですね。

登場人物中で、ステッキをついているのは画家の堀口豊(九十歳)です。
しかし、ここで堀口豊が犯人だったら安直すぎますよね。
そして、驚きの犯人は――!?

それは読んでみてのお楽しみということにしておきましょう。
物語の筋とはあまり関係がありませんが、一つ気になったのは、明男が中河原由加を轢きかけた時、娘の珠美ちゃん(三つ)は爽香の膝の上に乗せられていたことです。
チャイルドシートはちゃんとしましょうね!


posted by ちんぺい at 23:17 | Comment(0) | 読書感想文
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