2013年07月14日

『スペードの女王・ベールキン物語』感想

プーシキン作、神西清訳『スペードの女王・ベールキン物語』(岩波文庫,ISBN:4-00-326042-2)を読みました。

もっとも「スペードの女王」を読んだのはかなり前です。
同時収録の「ベールキン物語」五篇を最近まで読んでいませんでした。

以下、ネタバレ注意!

「スペードの女王」は、ゲルマンという若い士官が主人公です。
物語はファラオンというトランプ博奕の話から始まります。
その話の中で、ゲルマンはとある老齢の伯爵夫人が、ファラオンの必勝法に通じていることを知ります。
伯爵夫人に近づくために、ゲルマンは彼女の侍女リザヴェータの恋心を利用し、伯爵夫人の寝室に上がり込むことに成功するのですが、意図せず伯爵夫人を殺してしまいます。
そして、ゲルマンは因果応報、悲惨な結末を迎えるのでした。
しかし、リザヴェータは可愛らしいのに、金銭欲を優先するゲルマンにはがっかりですね。

スペードの女王といえば、Windows付属のゲーム「ハーツ」を思い浮かべます。
凶悪なカードで、場に出された時の嫌な効果音は何とも不気味ですが、この作品もそんな不気味さにもふさわしい結末でした。
この作品と関係があるのかはわかりませんが、「ハーツ」をプレイする時に「スペードの女王」を知っていると味わいが増すかもしれませんね。

「ベールキン物語」にも簡単に触れておきます。
五篇のうちで、特によかったのは「吹雪」と「百姓令嬢」です。
「吹雪」はマリヤが可愛くてよかったです。
「百姓令嬢」はリーザが可愛くてよかったです。
あまりにも適当な感想でしょうが、そう馬鹿にできたものでもなくて、つまり、現代に生きる私がそう思えるほど、この二篇は二百年近く昔の作品とはとても思えない新しさがありました。

全篇を通じて、訳者の文章もよみやすくてよかったです。
作者、訳者とも、他の作品も読んでみたいと思いました。


posted by ちんぺい at 13:15 | Comment(0) | 読書感想文
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